« ―16― | トップページ | ―17― »

―※―

 大きなバスタブにお湯を溜める。部屋にあった入浴剤を入れたらバブルバスになった。モコモコした泡の中に2人で体を沈める。

 「どうして?」

 さっき聞けなかった疑問を口にする。

 「なんで・・・、気持ち悪くないの?こんな・・・」

 テツヤがあたしの左手を取る。温まったあたしの傷はいつもより赤みを増していた。

 「何があったのかは、無理には聞かないよ。でも、これもマユなんだろ?」

 その傷を優しくなぞりながら言う。

 あたしは涙がでそうになった。

 「俺の前では隠さないで。何があっても受け止めてあげるから」

 「キライにならない?」

 「なるわけないじゃん」

 そう言って、軽くキスをしてバスタブから上がる。

 「おいで?体、洗ってあげるから」

 あたしは差し出されたその手を「離したくない」と思った。

|

« ―16― | トップページ | ―17― »

小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1085097/29099018

この記事へのトラックバック一覧です: ―※―:

« ―16― | トップページ | ―17― »